進行性網膜萎縮症は、目の網膜が変性によって萎縮し、視力の低下や喪失を起こす病気です。同じ犬の目の病気として有名な白内障や緑内障のようにポピュラーな病気ではなく、症例はわずかです。
進行性網膜萎縮症の代表的な症状をあげてみましょう。初期には夜盲症になったり、家具など動かないものが見えなくなったりします。その後、早くて2〜3ヶ月、遅くても2〜3年で失明することが多い病気です。
進行性網膜萎縮症は子犬のときにはほとんど症状がでないので、周囲は気づきにくい病気です。そしてどんどん視力が落ちていってしまいます。外見ではまったくわからない厄介な病気ですので検査によって、進行性網膜萎縮症を確定します。検査方法は血液検査、口の粘膜をブラシで採取する方法の二通りとなり、検査結果はサンプリングの後、約1週間後くらいにはっきりします。
進行性網膜萎縮症の多くは劣性遺伝による先天性です。夜間トイレに行きたがらない、消灯するとおびえる、あるいは犬の目が光って大きく見えたり、緑色に見えたり......。進行性網膜萎縮症の犬の眼を明るいところで見ると、生後6〜8週頃は緑色に見えます。しかし、それが薄暗いとこでも緑色に輝いて見えるようになります。
残念ながら進行性網膜萎縮症に対する治療法はありません。対症療法的ににビタミンCや抗酸化剤などを打って進行を遅らせる方法がせいぜいです。しかも、進行を遅らせることができれも、いずれは失明します。
しかし、失明しても犬自体は日常生活上それほど不自由を感じていないように見えます。発症期間は、数ヶ月から数年と言われますが、遺伝的な継承があっても必ず発症するわけでもありません。
なお、進行性網膜萎縮症を発症しやすい犬種としてはラブラドールレトリバー、アイリッシュセッターコリー、シェルティー、ミニチュアプードルなどをあげることができます。ちなみに近年人気のミニチュアダックスにも発症例が多いようです。
この病気は生後6ヶ月前後で眼底異常がわかり、1歳前後には全盲となることが多いようです。上述の症状にあてはまる犬は動物病院で検査を受けましょう。少なくとも進行を遅らせることはできます。なお、この病気の遺伝子を持っている犬の繁殖は控えておくのが賢明かと思います。