猫のしつけに対する考え方は犬のしつけとは少々異なります。どちらも家獣として長い歴史を持ち、しつけに対する考え方も共通点は少なくないのですが、猫と犬には本能など、根本的なところが違うのは十分理解しておくと、しつけに役立つかも知れません。
犬と猫を比較して、犬は素直に言うことを聞き、猫は反抗的で言うことを聞いてくれない、と嘆く人がいますが、これは半分は当たっていても、残り半分は誤解ではないかと思います。猫は行動全般、自分一匹で判断する動物なので、学習能力に優れており、知能も決して低くはありません。
一方、犬は本来群れる動物。集団生活が当たり前の生き物ですから、リーダー、手下というヒエラルキーに支配されています。リーダーは指示をし、メンバーはそれに従うのが、犬の習性で、故にしつけやすくもあります。
猫が野生であった頃、単独生活は当たり前でした。すべて自分の身を守るために自分で判断しなくてはならず、飼い猫なった今でも習性として行動を支配しています。当然、誰かの指示に従う必要も無く、飼い主の目からは、「気まま」「気まぐれ」「わがまま」「反抗的」など、感じがちでもあります。
しかし、猫でも根気よく教えれば、犬のようにあれこれと憶えてくれると思います。しかし、そもそも猫はしつけを覚える必要が無いのです。
猫のしつけは、「命令」などの情動的な面に依存するより、身体的不愉快といった物理的な面からアプローチするのが効果的です。このあたり、好みはありそうで、多くの飼い主は「命令」「誉める」パターンになりがちですが、しつけはどのようなプロセスをとっても、最終的に人間の意に沿えばOKと割り切るのが良いと思います。
結局は、同じ家で生活していくのですから、トイレなど最低限のマナー(しつけ)は憶えさえなくてはなりません。この点、犬と同じように人間のルールを押し付けてコントロールするのも方法の一つですが、猫も飼い主も快適に暮らせるようにお互いのルールを構築してゆくのも方法の一つです。
たとえば、トイレをきちんと決まった場所でするようにする、爪は決まった場所で研ぐ、など、猫に対して、一つ一つ根気よくしつけをしてゆきましょう。
ちなみにしつけは子猫の時期から行うのが効率的。幼猫は物憶えが早く、子猫のしつけは成猫をしつけるより格段に楽になります。また、成猫であっても根気よく接すれば、必ずしつけは成功します。焦らずにゆっくり構えて取り組むのたとても大切な考え方だと思います。